永代供養墓の意味と継承者問題

永代供養墓の意義

 

現代の日本社会では、かつての「家」制度の崩壊や核家族化の進行により、お墓を求めるにあたっても様々な不安をお持ちの方がおります。

 

「後継ぎがいない」

「子供に面倒をかけたくない」

  

お墓や納骨壇などの祭祀財産は、継承者がいない場合、他の相続財産と同様に国庫に帰属することになります。だが通常は、無縁になったお墓を国が管理することはなく、管理料などが払われなくなれば、無縁墓として整理され、管理者に返還されます。

その俗にいう「無縁仏」となった遺骨は合葬墓などに改葬され、墓所は他の人に使用されます。

 

お墓の継承者に関する悩みを持つ方々に

不安を解決する一つの選択肢になるのが永代供養墓です。

無縁仏とは

 

無縁仏とは、Wikipediaによると、

「供養する親族や縁者のいなくなった死者またはその霊魂、またはそれらを祀った仏像や石仏などを意味」します。

 

無縁化リスクは、男系子孫の存在だけではありません。何代かは子孫が続いたとしても、継承者が遠方に移転したり、代が途切れたりすればいずれ無縁仏することになります。

 

 

墓埋法では、使用権を有する者に対して、1年以内に申し出るべき旨を官報に掲載し、かつ無縁墳墓等の見やすい場所に設置された立札に1年間掲示して公告し、その期間中にその申し出がなかった場合、容易に無縁改葬処分できることになります。

「官報」って見たことありますか?官報は、法律、政令、条例等の公布をはじめとして、国の機関として諸報告や資料を公表する国の広報誌です。でも、なかなか目にすることないですよね。ほとんど1年間の立て看板の設置のみで無縁改葬されるということになります。

 

管理料等がない公営墓地の場合は、墓地使用者が死亡し相続手続きが取られていないことにより、無縁墳墓等とみなされます。

反対に民間霊園、寺院などの場合は、管理料等さえ支払っておけば、何年もお参りに行かなくとも、無縁墳墓等に該当しません。

合祀墓の場合は、管理料等の支払いがない上、祭祀継承者がいない場合、遺骨は霊園管理者に移されることになり、管理者が存続する限り遺骨も祀られることになる。

 

ここでいう「無縁」とは、“血縁”が無くなることですが、永代供養墓などの合祀墓を希望する人は、必ずしも“血縁”が無いとは限りません。

継承者(子孫)に「迷惑をかけたくない」と、合祀墓を希望する人もいます。民間霊園、寺院などに家墓を建てると、子孫に後にかかってくる管理料の負担を強いることになり、家墓という血縁の墓ではなく、合葬墓という“寺縁”“墓縁”のある人と共に入るなど、お墓の選択肢が増えてきているのです。

 

永代供養墓を検討する人

 

  • お墓を継ぐ人、お墓参りをしてくれる人がいない(子供がいない・子供が嫁いだ・独身・身寄りが遠くにいる・・・)
  • 死後にお墓のことで子供に負担をかけたくない
  • 自分一人だけのお墓を求めている
  • お墓にあまりお金をかけたくない、かけられない
  • 先祖代々のお墓を守るのが、金銭的に負担になってきた
  • 先祖代々のお墓があるが、檀家制度に困っている
  • お墓参りが身体的精神的時間的距離的に無理になってきている
  • お寺の檀家になるのが嫌だ

などなど

お墓の悩みは尽きない

 

「お墓を継ぐ者がいない」

「子どもがいない」

「独身、身寄りがいない」

「子どもは娘だけで嫁いでいる」

「子どもにお墓のことで迷惑をかけたくない」

「ひとりでも入れるお墓をさがしている」

「無縁墓になってはさみしい」

 

「誰に相談していいのか分からない」

「お寺には聞きにくいし、疎遠になっている」

 

そんな悩みを持つ方が増えています。

一人っ子同士が結婚した場合、一家で二つのお墓を管理せざるを得ない。

その子どもが娘だけであったら・・・

将来のお墓に関する経済的精神的負担を娘とその嫁ぎ先に強いることになってしまいます。

 

家族のあり方、個人のライフスタイルが変化している現在、お墓に対する考え方も変化してきています。

無縁仏にはせず、それぞれに最善なお墓の選択をすることを子や孫に示すことで、お墓に対する意識の教育“葬育”につながります。

それによって、子や孫も先祖を想う気持ちが育つのではないでしょうか。

 

個人的主観ですが、

例えば、自身の親が亡くなったことで初めて人の死というものに直接的に関わり、宗派のこと、葬儀、仏壇、法要、お墓納骨堂など、知らずに戸惑うことばかり。

それは、ある意味自分自身が先祖の供養に関わって来なかった証です。自分自身が関わって来なかったことを、今後子孫に託すこともできない。

よって、「子供たちに迷惑をかけない」という発想に行きつくと感じざるを得ません。

 

合葬墓の種類

 

  1. お墓納骨壇の一定区画について使用契約を結び、その使用権の承継を認めながら、管理費を支払わなくなって一定期間経過後に合葬する 有期限更新型
  2.  一定期間経過すると、合葬する 有期限非更新型
  3.  納骨と同時に合葬するもの ex.札幌市納骨塚

 

永代供養墓とは、これらの合葬墓に永代供養を付加したもの。

 

永代供養墓の種類

 

お墓参りができない人に代わって、あるいはお墓参りをしてくれる人がいなくても、代わりにお寺や霊園などが責任を持って永代に渡って供養と管理をしてもらえるお墓です。

遺骨は、一般的に不特定多数の他の人と一緒に納められることから、合祀塚、合同墓、共同墓などと呼ばれています。

永代供養墓の納骨は、

  1. 最初から遺骨を骨壷から出して、他の人と一緒に合葬する。
  2. 当初は骨壷のまま安置して、ある一定期間経過後合葬する。
  3. 遺骨の一部を永代に安置し、残りは合葬する。

 

納骨されている方の名前の記録は、

  1. 石板の墓誌に彫刻
  2. 過去帳に記載
  3. 墓籍簿に記載

などに分かれています。

 

一般的には、骨壷の状態では改葬(移転)可能であり、合葬すると不可能になる。お寺や霊園によって異なりますので、確認が必要です。

 

永代供養墓では、どのように供養してくれるのか?

  1. 毎年春・秋彼岸、お盆に合同供養
  2. 祥月命日あるいは毎月の命日
  3. 年回忌供養

その他に、墓前で行うのか本堂で行うのか

個別戒名(法名)を読み上げるのか

いつまで行うのか

お寺や霊園によって異なります。

 

  1. お墓参りに行かなくても、お寺や霊園が責任を持って永代に渡って供養と管理をしてくれる。
  2. 合祀型は、墓石代金がかからないので、一般のお墓と比べて安い。
  3. 一式料金を一度支払えば、その後の管理費、お布施など費用がかからない。ただし、生前予約の場合は、年会費(護持費)、管理費等を支払う形式になっているところもあります。
  4. 過去の宗旨宗派は問われません。ただし、お寺が管理するものは、そのお寺の宗派に沿った形式で供養されます。

浄土真宗のお寺が運営する納骨堂で、「うちは、曹洞宗なので曹洞宗の永代供養をお願いしたい」と言っても無理な話です。

 

費用について

永代供養料、永代使用料、永代管理料が一式の料金で設定されています。

その他に、納骨料、墓誌彫刻代金は、別途設定されているところもあります。

また、生前に申し込む場合は、年会費・入檀料など別途かかるケースもあります。

 

家のお墓、先祖のお墓を無縁墓にしない方法

 

お墓を守っていく大前提になるのは、承継者を見つけることです。

法的には、お墓の祭祀承継者は長男でなくとも実子でなくともかまいません。誰でもなることができます。

兄弟姉妹や他家に嫁いだ娘でも甥、姪、親戚などに頼むこともできます。

ただし、寺院墓地や民間霊園の場合は、管理規定で継承者が限定されている場合もあります。

 

手続き的には、墓地管理者に対して墓地使用権者の名義変更手続きをします。それに対して、戸籍謄本や誓約書などの書類の提出を求められます。

また、承継者になるには、精神的負担がかかることでもありますので、関係者で話し合うことが大切です。

 

祭祀承継者が見つからない、いない場合には、いずれ無縁仏になります。

それを避けるには、現在のお墓に入っている遺骨を永代供養墓に移転(改葬)することになります。

その場合、現在のお墓は更地に戻して管理者に返還することになり、墓石撤去工事が必要です。

 

 

家族親族に祭祀継承者がいない場合は

 

永代供養墓の場合は、管理規定の中に「遺骨の祭祀継承者を管理者とする」旨の規定があります。

つまり、仮に後になって祭祀継承を名乗り出ても受け入れられることはない。

両親が子供に内緒で申し込んだ永代供養墓に納骨されている遺骨を、合祀されていない場合であっても取り出すことは出来ないことになる。(あくまで規定上は)

 

前述のように、祭祀継承者は誰でも構いません。管理者である必要もないことになります。

信頼できる人に依頼することもできるのです。

管理費等が必要のない公営墓地もしくは永代管理料を払っている場合は、名義変更のみでお墓は永久に存続可能になり、無縁仏になることもない。

また、管理料が必要の場合は、支払いを委託する契約も可能であるはず。この場合は、法的根拠が必要になってきますが。

自身の葬儀や死後の手続きを委任する「死後事務委任契約」もありますが、あくまで短期的な委任契約であり、自身の死後のことであり、委任内容がきちんと実行されたかどうかの監視体制が不十分になってしまいます。

ほかに、永代管理料若しくは管理費を一定期間まとめて払う方法もあります。 

 

つまり、無縁仏にしない方法(抜け道)は、存在するのである。

特に、現在公営墓地にお墓をお持ちの方は、安易な返還は避けるべきである。札幌市営墓地の再公募にどれ程の倍率であるかを想像するとお分かりだと思います。

遠くの故郷の公営墓地にあるお墓を札幌など現在の住まいの近くの民間霊園に移転(改葬)する場合、管理料の負担を子孫に残すことになる。

 

そして、この少子化の時代に男系子孫が何代も続くと思いますか?

この先、子供がたくさん増える時代が来ると思いますか?

 

お墓、納骨堂の継承者は誰になるのか?

 

お墓や仏壇などの祭祀財産は、一般的な相続財産(現金・不動産等)とは区別されている。

祭祀財産の承継者は、

  1. 生前に祭祀承継者を指定する。
  2. 私が亡くなった後、お墓の面倒はアンタが見てね!と口頭若しくは文書(遺言書)で指定しておく。一般的な相続財産の相続人以外でもかまわない。
  3. 慣習による承継
  4. 指定や慣習では承継者を決められない場合、家庭裁判所の判断。

 

よって、祭祀承継者は、長男でなければならないこともないし、他家に嫁いだ娘でも被相続人の指定があれば祭祀承継者になれます。

ただし、寺院の場合は、「檀信徒に限る」と規定されているところもあります。

また、承継者は墓地使用者の直系尊属の男子に限るなんて規定を設けている時代錯誤な寺院もあります。

 

さて、

前述の1番に「祭祀承継者は、生前の祭祀承継者を指定できる」と書きました。

これが、ここで紹介している永代供養墓の承継者の指定に該当します。

永代供養墓には、祭祀承継者を管理者に指定する旨の規定が設けられていますので、契約書に押印することで祭祀継承者を管理者に指定したことになるのです。

何故、祭祀継承者を管理者に指定しておく必要があるのでしょう。

合葬されたお骨は取り出すことができません。合葬後に親族が現れお骨の返還を求められても他の方のお骨と一緒になってしまってますので、現実的に無理です。そんな慰謝料・損害賠償問題の回避のためにある規定です。

お骨の祭祀継承者が指定されているということは、お骨の所有権が移動になっていると解釈されます。